「そういえばもうすぐ期末だね」
下駄箱でローファーを取り出しながら、藍くんは思い出したように呟く。
……はっ、もうそんな時期か。
この間中間終わったばっかりなのに……早いなぁ。
また憂鬱ウィークが始まるよ。
「沙羅ちゃんがそろそろ嘆きだす頃かな……」
「あはは、前は皆で勉強会したよね」
そういえば、藍くんの家で勉強会したなぁ。
……マックス、可愛かったなぁ。
今思えば、すごく貴重だった気がする。
「そうだ、マックスにまた会いにおいでよ」
「え……いいの?」
「もちろん。またうちで勉強会しよっか」
爽やかな笑顔がキラキラして見える。
わあ……!
嬉しい……また藍くんのお家に行けるんだ!
目的は勉強だけど、すごく楽しみだなぁ。
「……でも期末終わったら冬休みだね」
「ほんとだ、もう年末かぁ」
「クリスマス……とか」
藍くんはそう言って、ちらりと私を見る。
そんな仕草に、私は思わずドキッとしてしまった。
「どうする……?皆でクリスマスパーティーとかしたい?」
「え……」
藍くんはじっと私を見つめて答えを待っている。
どうするって……。
確かに、皆でクリスマスパーティーとか絶対楽しそうだけど。
……でも。
「わ、私は……2人で過ごしたい……かも……」
う、わぁ〜〜!
恥ずかしすぎるっ。
がめつい女って思われないかな!?
でも、せっかく初めてのクリスマスだし……。
藍くんと2人で迎えられたら……最高に幸せだろうし……。
ちょっとだけ……わがまま言ってもいいよね。

