「手とか繋いだことはある。……キスも、向こうからされたことはあった。でもどっちも全員じゃないし、回数も多くないよ」
……そ、そうなんだ。
でも、キス……藍くんからしたことはないんだ。
なんかちょっとだけそこは……良かったような。
「……まあ、スキンシップが無さすぎて振られたのがほとんどだけど」
「へぇ……」
恥ずかしそうに笑う藍くんを呆然と見つめる。
……なんか、色々不安に思っちゃってたのが馬鹿みたい。
しかも、勝手に元カノに嫉妬して。
藍くんを困らせちゃってる。
……そうしないって決めたばっかだったのに。
もう、ほんとに私ってなんでこうなんだろ。
「藍くん……話してくれてありがとう」
「ううん。珠姫ちゃんが不安に思ってることはちゃんと解消させたいし」
ああ、ほんとになんて優しいんだろう。
心臓がぎゅうってなる。
……藍くんがすごく愛しいなぁ。
「……珠姫ちゃん」
「うん？」
「勘違いはして欲しくないんだけどさ」
「……へ？」
「俺……別に、そういうことに興味がないわけじゃないから」
目の前の藍くんは、そう言って私をじっと見つめる。
真っ直ぐな視線が、とても熱く感じて。
気付けば藍くんの頬も、ほんのり赤くなっていた。
……え。
そ、そういうことって……。
だ、男女のスキンシップってこと？
