〝藍くんって元カノとイチャイチャしてたのかな?〟



……はっ。

そういえば、これは自分で聞くって言ってたんだった。



今の流れなら、聞いても不自然じゃないよね。


今後付き合っていく上で、参考になるかもしれないし。

これだけは聞いておこうっ。




「あ、藍くんって……」


「うん?」


「今まで付き合ってきた彼女と……その……」


「?」


「…………い、イチャイチャってした!?」




思わず大きな声が出てしまい、私ははっと口を押さえる。


周りからの視線が痛い。

ていうかクレープ全然食べれてない!




「……ご、ごめ……あの、移動しよっか」




私は肩を落として向こうのベンチを指差す。

そして私達は視線から抜けるようにその場を後にするのだった。




「……珠姫ちゃん」


「は、はひ」



藍くんに声を掛けられ、私は咄嗟に情けない声を出してしまった。


……ど、動揺し過ぎ。

恥ずかしい。



「まさか珠姫ちゃんがそんなこと気にしてるなんて思わなくて、正直びっくりした」


「……」



ガーンという効果音が聞こえてきそうなほど、私はショックを受ける。


ぜ、絶対引かれた……。

聞かなきゃ良かった……。


も、桃ちゃん助けてぇ。



「俺も珠姫ちゃんに隠し事したくないけど、ほんとに正直に言っても大丈夫?」


「え……う、うんっ」



じ、自分で聞いたし……覚悟は出来てるっ。


ていうか藍くん……引いてないのかな?