――私は自販機で購入した牛乳パックを片手に、小さく溜息を漏らす。
……藍くんと話せるタイミングっていつだろ。
連絡取らなかったら、クラス違うしなかなか会えないんだよね。
今1組に行くのはかなり危険だし……。
でも、ちょっとだけ安心してる自分がいる。
早く藍くんと話したいけど、
今藍くんが私のことどう思ってるかが気になって怖い。
いやでも!
頑張るって決めたし!
ちゃんと私の気持ちを伝えなきゃ。
私はぐっと小さく拳を握って、ふと手元の牛乳パックに視線を移した。
……そういえば、藍くんと初めてちゃんと会話した日も牛乳パック買ってたっけ。
藍くんが元カノにビンタされた日。
牛乳のお礼にって、可愛いミルクチョコもくれたなぁ。
食べるのもったいなかったけど、食べないのももったいないと思って食べたあの可愛いチョコ。
それがもうすごく美味しくて。
後日、自分でチョコが売ってるお店探したなぁ。
……こんなに好きになるなんて。
あの日の私には予想も出来なかった。
私ずっと、藍くんのことばっかり考えてる。
……もしかして、
あの日……私がここで牛乳買って、
藍くんと元カノが別れて、
私が声を掛けたこと自体が
運命だったんだろうか。
私の運命の人は……藍くんなの?
そもそも、運命の人なんて……誰も分からないよね。
その人が運命の人かどうかは、結局自分が決めるんだ。

