「送ってくれてありがとう、佐賀くん」
「こ、こちらこそ……急に呼んじゃって……」
綺麗な横顔が夕日に染って赤くなって見える。
ほんとに、美形過ぎてどの場面を切り取っても絵になるなぁ。
「全然!楽しかった!じゃあ、また明日ね!」
「ま、また明日……」
挨拶を終えて私は定期で改札を通った。
くるりと振り返ってみると、やっぱりまだ佐賀くんは同じ場所にいて私を見送ってくれている。
私はそんな佐賀くんに笑顔で手を振った。
すると佐賀くんは、少し驚いて戸惑う様子を見せながらも、ちゃんと振り返してくれたのだ。
……佐賀くんはきっと、これから変わっていくだろうな。
もっと皆と打ち解けて、周りにもたくさん人が集まって、素敵な出会いもして。
毎日が楽しくなるような。
そんな変化を。
……そういえば、佐賀くんは好きな人とかいるのかな。
佐賀くんのお母さんの話を聞いてても、佐賀くんに彼女とかはいなさそうだけど。
ていうか、いたら私を家に連れてったりしないのかな。
もし好きな人がいるんだったら、応援したいなぁ。
そうすれば、もっと佐賀くんに自信がつきそうだもん。
好きな人が出来ると、ほんとに毎日が楽しくなるよね。
……私も人のこと言えないけど。

