「珠姫ちゃんがここまで犬好きだとはね」





ゴロンとお腹を見せて転がるマックスを愛情たっぷりに撫でまくっていると、微笑ましく眺めていた藍くんが呟いた。



私は少し恥ずかしくなりながらも、あはっと笑ってみせる。





「可愛くてつい……。マックスうざく思ってないかな?」


「ないよ。見てよこの幸せそうな顔」





ぷっと吹き出した藍くん。

私もマックスの表情を見てると、それはもう幸せそうにうっとりしていた。



……素直な子で良かった。





「珠姫ちゃんがこんな風にテンション上がるの初めて見たかも」


「……引いた?」


「まさか。可愛くて癒される」





……え。



と、思わず固まってしまった私とは反対に、藍くんは優しく微笑んだまま私を見つめていた。





……い、今の。


マックス……のことじゃない、よね。



私のことを……可愛くて癒されるって言ったんだよね?




……あまりにもさらっと、優しく言うから……めちゃくちゃドキドキするっ。



こ、これが爽やか系男子の為せる技か……。





「……?珠姫ちゃん?」


「え、あ、はい!ごめん、ぼーっとしてた!」


「あはは、顔赤い。可愛いー」


「!?」





無邪気な笑顔でしゃがんだままこっちを見ている藍くん。


私はこんなにも動揺しているというのに……!




藍くんの視線が妙に熱く、私の体温は更に上がっていくのが感じられる。


気を紛らわすようにマックスを撫でるが、隣からの視線が気になって仕方がない。