――住宅地にある藍くんの家は木造でとても綺麗に手入れされてあった。


玄関に上がると、家の奥からワンワンと大型犬の鳴き声が聞こえてきて。

クリーム色のゴールデンレトリバーが嬉しそうにこちらに駆け寄ってくるのが見えた。



あ、この子がマックスか!





「ただいまマックス。お客さんだよ」


「か、可愛い……!」


「へぇー、羽水って犬飼ってんだな」


「うん、人懐っこいから安心してね。
さ、上がって上がって」





藍くんに促され、私達はぞろぞろと靴を脱いで家に上がらせてもらった。


その間、マックスはお座りして大人しく私達を待っててくれていて。


私はそんな愛らしいマックスにもう夢中だった。





「……良い子だねぇ」


「珠姫犬好きだよな」


「うん、大好き。心から癒される……」


「あはは、そう言ってくれてマックスも喜んでるよ」




爽やかに笑ってみせる藍くんは、よしよしとマックスの頭を撫でる。

そんなマックスは嬉しそうに藍くんの腕にすり寄り、ぺろぺろと舐め始めた。



ああ〜!
可愛い〜!!





「……よし、じゃあ俺ら先に藍の部屋上がっとくぞ。藍とたまちゃんはマックスと戯れてから来いな」




そう言い出したのはカツくんだった。



えっ、でも。


と、皆を見るが既に彼らは廊下を進んで「じゃーあとで」と手を振っていた。




……気を遣わせてしまった。


でも、せっかくああ言ってくれたし、ちょっとでもマックスと戯れさせて頂こう。