「打ち上げ楽しめてる?」
「……そ、そこそこ。緊張するけど……皆すごいって褒めてくれるから……正直嬉しい……」
少しだけ頬を緩ませる佐賀くん。
それなら良かった。
これで佐賀くんに少しでも自信がつけばいいな。
……ほんとに優勝しちゃうんだもん。
すごすぎるよ。
「じゃあ、最後まで楽しもうね」
「……な、成瀬さんのおかげだから!」
……え?
突然大きく声を張った佐賀くんに、私はきょとんとしてしまう。
ど、どうしたの?
〝私のおかげ〟って……?
「成瀬さんが……コンテストに怖気付いてた僕を勇気付けてくれたから……優勝出来たんだ」
「え、えぇ?お、応援はしたけど……優勝出来たのは佐賀くんの実力でしょ?」
「成瀬さんの言葉がなかったら……多分プレッシャーにやられて辞退してたよ……」
……そういう、ことか。
確かに、私は少しでも佐賀くんに自信が付いてくれればって考えてて……。
皆の期待に応えたいっていう佐賀くんの意思を尊重したくて。
でも、そっか……そう言ってくれると私も嬉しいな。
「……ありがとう成瀬さん」
「ううん、こちらこそありがとう、佐賀くん」
……やっぱり、ミスターコンに出て正解だった。
佐賀くんのこんな素敵な笑顔が見られたんだもん。
これからも佐賀くんがいっぱい笑えるように……応援しよう。
私に出来ることなら、なるべく力になりたいんだ。

