「投票する紙の理由とか書くとこに、『男装した沙羅くん』とか『金髪イケメンのカフェ店員』って書かれて出されてあったらしいの」
「な、なんだそれ……」
「もし男装した沙羅ちゃんがミスターコン出てたらどうなってたんだろうね」
「アホか!出るわけねぇだろ!」
声を荒らげてジュースを飲む沙羅ちゃん。
でも、ほんとにどうなってたんだろう。
佐賀くんも人気だったけど、1番人気が高かったのは沙羅ちゃんだったもんね。
確かにイケメン過ぎたし、女の子でも惚れちゃうよあれは。
「私の目は間違ってなかったです……」
と、不意に現れて話に割って入ってきたのは委員長だ。
びっくりした私と沙羅ちゃんはそんな委員長を振り返る。
「い、委員長」
「……あ、足立さん。その、男装とか色々……協力してくれてありがとうっ……!」
委員長は少し潤ませた目で沙羅ちゃんを真っ直ぐ見つめる。
沙羅ちゃんは照れたように顔を逸らし、「ま、全然いいけど」と唇を尖らせた。
委員長もほんとに頑張ってくれたよね。
委員長がこの〝リバーサル・カフェ〟をやりたいって言ってくれたから大成功することが出来た。
……委員長の夢も叶ったみたいだし、最高の文化祭になったなぁ。

