後の祭りですよ。
周りの目が痛い痛い。
「……ごめん」
私は逃げるように、美術室に向かった。
「釣り合わないとか言うくせに、嫉妬はするってか」
「深優……」
美術室で1人反省会をしていたら、深優がそう声をかけてきた。
深優は私の隣の席に座る。
「まあ人を好きになってるなら、嫉妬とかは当然するさ。でも、由依はしないと思ってた」
「どうして?」
私だって、嫉妬くらい。
「間違えた。由依には嫉妬する資格はないと思う」
その言葉は重く、私の心にのしかかった。
返す言葉もない。
「土俵に上がらない人間が嫉妬するって、なんか醜い」
まだ言うか!
もう十分わかったのに。
「……ここまで言われても、由依は奴に言わないの?」
「それは……」
私は言葉を続けられなかった。
考えがまとまらなかったし、今なにか言い切るのは違うと思ったから。



