人伝いだからか、どこか信じられない。
「由依は10年片想いしてた。だから、わからなくなったんだと思う」
「やっぱそうなのかな」
「わかってたの？」
俺だって長いこと由依を見てきた。
それくらいわかる。
「どうやったらまた、好きって思ってくれるんだろう」
あ……やべ。
思わず、呟いてしまった。
「由依のこととなると、かっこ悪いね」
花井は驚き、俺をからかった。
「いいだろ、別に」
自覚しているから、言ってほしくなかったが。
「それだけ由依が大事ってことでしょ」
「……まあな」
すると、花井は俺の肩を思いっきり殴った。
「ちょっとムカついた」
それが理由で殴るか、普通。
「ねえ、由依の話聞かせてよ」
「なんで」
「暇つぶしだよ」
それはお前の暇つぶしだろ。
と思ったが、今まで誰にも言ってこなかった由依との思い出が話せる嬉しさが勝って、俺は話すことにした。
