「今のは完全に心菜が悪いからな!」
そしてどうしてか、あたしのせいにされた。
おまけに、スタスタ自転車を押して行ってしまう……。
……なんなんだろう。
わけわからないこと言ってドキドキさせているのは、そっちなのに。
でも、さっきの言葉が率直な怜央くんの本心だったとしたら……。
「……あたしもっ……まだもう少し怜央くんと話してたいっ」
小走りで追いかけて、その背中に告げた。
あたしだってそうなんだよって伝えたくなったんだ。
───カラ……。
自転車の回転がゆっくり止まる。
振り返って街頭に照らされて浮かびあがった怜央くんの顔は、ほんのり赤らんでいるように見えた。
「……お、おう」
「……うん」
隣に肩を並べると、怜央くんはあたしの歩幅に合わせてくれた。