なんだかこうしていると、始業式の日に先生のお手伝いをさせられたことを思い出す。
怜央くんに恋に落ちた日のことを。
あれから1ヵ月くらいしか経っていないのに、随分と昔のような気がする。
ふふふ……なんて思い出に浸っていると。
「そういえばさ、なんで心菜から中野に委員が変わったの?」
目の前から投げられた質問に、一気に現実に戻る。
改めて今それを聞かれて返答に迷った。
それでもやっぱり本当のことは言えない。
「えっと……すみれちゃんがやってみたいって言ってきて……」
苦し紛れに口から放つ。
「え?なんで?こんな面倒な仕事なのに?」
それを素直に信じてくれない怜央くん。
どうしよう。
怜央くんが好きだからなんてことは絶対に言えないわけで。
「理由は……よく……わかんないけど」
「ふーん……」



