「よっしゃああああ!」
「うわああっ、負けたあ!」
一方、男子はまだ決まっていないみたい。
一勝負つくことに大騒ぎだ。
体育祭実行委員は、誰もがやりたくない委員ナンバーワンと言われている。
雑用が多く、過酷で有名だから。
去年委員になった子は、毎日遅くまで残って作業して、当日も係仕事に走りまわって3キロも痩せたと言っていた。
あたしも運動は苦手だし、まったくもって適任じゃないから気が重くてしょうがない。
無責任に小説の中ではヒロインとヒーローにさせてしまったけれど、現実世界でなるのはやっぱり勘弁だ。
残り5人を残して、まだ怜央くんは負けグループにいた。
「やべえ、勝てる気がしねえ」
弱気を口にする怜央くんは、本気で委員を避けたい様子。
嫌なことを怜央くんにはやってもらいたくない……そう思いながらも、どこかで怜央くんが委員になることを期待してしまう。
一緒だったら、実行委員も頑張れそうな気がするから。



