じゃんけん、か。ここは小説とは違いくじ引きではないらしい。
うちのクラスは36人。男女それぞれ18人づつ。
偶数だから誰もあぶれることなく、前後の人とじゃんけん出来る。
あたしは振り返り、後ろの女の子とじゃんけんをした結果。
「やった~!」
負けたあたしの目の間で、本気で喜ぶ相手の女の子。
あたしはじゃんけんが弱い。
当然のように負けてしまい、第二ラウンドは教室の前で行われた。
たった一枠から逃れるためのじゃんけんの結果。
「はい、宮内さんに決定ね」
あたしの名前が黒板に書かれていく。
これって、あたし自身がこの運命を決めてしまったようなものかな。
ヒロインが委員になる……なんていう小説を書いたから。
……そんなわけないよね。これも偶然に決まってる。



