机の上に転がされた3本のシャーペン。
そのどれもに芯が入ってないらしくて、プリントが進められないみたい。
それは大変だ。
「うんあるよ。ちょっと待ってね」
ペンケースからシャーペンの芯が入っているケースを取り出し、怜央くんに渡す。
「いっぱい入ってるから好きなだけとって大丈夫だよ」
「マジで助かるわ」
怜央くんは空のシャーペンに、芯を入れていく。
指、細くて長いな。
だから器用なのかな。
そんな姿にすら見とれてしまうあたしは、もう重症かもしれない。
……好きが、募っていく。
「さんきゅ」
「どういたしまして」
怜央くんがあたしにケースを渡し、それを受取ろうとしたとき、