ドキドキがおさまらないあたしに、彼はニコッと微笑んだ。
「そういえばまだ、名前言ってなかったよね、俺の名前は───」
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「宮内(ミヤウチ)ーーー」
耳元で、野太い声が響いた。
え……?
彼、こんな声だっけ……?
一瞬頭が混乱したけれど、次の瞬間、あたしの手からスマホがサッと取り上げられた。
……一気に頭が現実に戻る。
「…………」
ま、まずい。
まずすぎる、これは……。
おそるおそる見上げると、しかめっ面をした担任の先生。
サーっと顔面から血の気が引いた。
そう、今はLHRの真っただ中。
「俺がありがたい話をしているときにスマホをいじるとは、とんだ度胸だな」



