怜央くん、あの席なんだ。
彼の隣に移動している女の子はまだいない。
ドキドキ……。
震える手で、そっと自分のクジをめくると。
あたしは26番だった。
場所を確認すると、一番窓側の前から5番目、そして……10番の隣。
嘘だ……。
手のひらを口に当てて、黒板を見つめる。
「どうしたの?」
固まっているあたしの肩をたたく凪咲ちゃん。
そして、あたしが持っている紙を覗き込んで。
「26番?わっ、あたしと結構近いじゃん!……って、となり怜央くんじゃん!」
後半は小声になって、肩を揺さぶってくる。
激しい体の揺れに、これは夢じゃないんだと確信する。
「……そうみたい」



