……あたしが、かわいそう……?


今のはあたしが自分に向けて言ったのに。



「俺だってコンプレックスとか色々あるしうらやましいと思うヤツいっぱいいるけど……それでも、俺が俺を認めてやんなきゃ、誰にも認められないと思わねえ?」



手を止めて、あたしの瞳をグッと覗き込む。


一気に距離が縮まって、その差10センチ。


ドクンッ、と胸が鳴る。



「自分が自分を好きじゃなくて、誰が好きになってくれんの?」


「……っ、」



ハッとした。


……そうだよね。


自分のことすら好きになれなくて、他の人がそんな自分を好きになってくれるはずなんてない。



「だから、俺は俺なりに自分のいいとこ見つけて、自分を好きだって胸張れるヤツでいたいと思ってる」



すごく、まっすぐな瞳だった。