あたしのことを好きになってくれる男の子なんていないんだよ。


好きになっても見ているだけで、相手を振り向かせる努力や行動を起こせない。


それが出来ないのは、やっぱり自分に自信がないから。


もしかしたら、なんて期待もできない。


もう、傷つきたくないんだ……。



「ふーん……」



怜央くんは、不服そうに口をとがらせる。



「心菜は、どうしてそんなに自分をダメダメな風に言うの?」


「え?」



そしてホチキスでパチン、とプリントを止めてからひと言呟いた。



「心菜がかわいそう」



───と。