「フンッ。このくらい俺だって」
それを聞いていた大和くんは、ちょっと面白くなさそうに唇を尖らせた。
あ、やきもちだ……。
微笑ましくて、ふふふと笑う。
「あー出た。男のやきもちは見苦しいぞ!」
「なっ、うるせーし!」
ははっと笑う怜央くんに、かみつく大和くん。
でも、お互いに仲がいいからこそだろうと窺える言動に、自然と頬があがる。
なんかこういうのいいなぁ。和気あいあいって感じで。
みんな明るくていい人だし、これからの1年すごく楽しくなりそう。
なんとなく視線を感じて周りを見れば、思った通り視線を浴びていた。
なんでだろう……そう思ったあたしの謎はすぐに解けた。
「大和くんと怜央くんと同じクラスなんて、めちゃめちゃラッキーじゃん」
「いいなぁ。あたしも怜央くんと喋りたい」
なんてヒソヒソ話している声が聞こえてきたから。



