怜央くんは、当然ケガの手当てのことを言っているんだろうけど……。


噛みあってるんだか噛み合ってないんだか……どこから突っ込んでいいのか微妙な会話。


でもこれは日常茶飯事なのか、ふたりともケラケラ笑いながら話を続けている。



「ちょっとあんたたち、心菜が困ってるでしょ!」



凪咲ちゃんが突っ込まなかったら、どこまでこの会話が続いていたことやら……。



「つまり、心菜のケガの手当ては怜央くんがやってあげたってことね」


「そ、そうなのっ!」



まさか変な誤解を大和くんがしてるわけじゃないだろうけど、あたしは力強く同調した。



「怜央くんてずいぶん器用なんだね。すごくキレイに手当できてるじゃん」


「だろ?だてにサッカー部の救護係って呼ばれてねーし」



凪咲ちゃんに褒められて怜央くんは嬉しそう。