「今朝さ、俺の自転車とぶつかりそうになったんだよ」
「マジで?」
「それでバタバタしちゃってさ」
「だからお前、始業式いなかったのか。初っ端からどこでサボってんのかと思ったわ」
「サボってるって人聞きわりーな!ケガしてたから保健室に一緒にいってたんだよ」
「まじかよ!心菜ちゃん、襲われなかった?」
「へっ……!?」
なにを言い出すの大和くん……!
襲うって……本人目の前にして……あたしどういうリアクションしたらいいの!?
「ばーか。俺の何を見てたらそーゆー発想になるワケ?」
困っていたあたしに怜央くんから笑いまじりの声が投下された。
ふぅ。助かった。
「だって保健室でヤルことってひとつだろ?」
けれどそう言ってニヤニヤする大和くんに、あたしの顔は再び引きつった。
「ひとつだよな。そうだよ、俺の素晴らしい腕の見せどころだったわ」
「おー、すごい技持ってそうだしな」
「それはどうも。おかげで滞りなく終了しました」



