「な、んで……」
怜央くんの隣に映っていたのは、あたしが知っている人だったから。
思わずその写真立てを手に取る。
「どうして……」
そこに映っていたのは、"彼"だった。
あたしに、やり直しの世界に行った意味を教えてくれた─────彼。
「……それ、俺の親友なんだ……」
背後から声が聞こえてきてビクッと肩が上がる。
いつの間にか怜央くんが戻ってきていた。
「親友……?」
「中学2年のときに、亡くなった俺の親友……」
「っ……」
亡くなった……?
彼は、もうこの世にいない人だったの?
「翼(ツバサ)、っていうんだ」
『アイツを絶対に死なせるな』
あのときは、彼がなぜ怜央くんを守ろうとするのか全く分からなかったけど。
怜央くんの親友だったから……。
親友の彼……翼くんが、怜央くんを守ってくれたんだ。
その助言で、あたしは過去を変え、この未来を創ることができたんだ。



