残されたあたしは、部屋の中をぐるりと見渡す。
ベッドと勉強机に本棚に、備え付けのクローゼット。
余計なものはなくこざっぱりしていて、まさに想像通りの部屋。
サッカー関連の雑誌が、本棚には沢山並んでいる。
あまりに怜央くんのイメージ通りな部屋に笑みをこぼしていると、本棚の上に飾られた写真立てを見つけた。
「わあっ、怜央くんだ」
中学生時代だろうか。
友達と映っているもので少し幼さが残るけど、もう十分イケメンが出来上がっている。
これは中学のときも相当モテたに違いないよね。
あとで色々聞かせてもらおう。
でも、聞いたらへこむからやめた方がいいかな?
なんて思いながら、隣に映っている男の子に目を向けて
「……え」
かすれた声が漏れた。



