「だよな、やっとふたりきりになれたんだもんな」



艶っぽい瞳で見つめ、あたしの髪をすくいあげる怜央くん。


───ドキッ。



「って言いたいとこだけど、さすがに退院したばっかの心菜に手を出すとか、しねえから安心しろ」



ポンと頭の上に優しく手を置かれ、怜央くんは階段を上っていった。



うわぁぁぁ……びっくりした。


でも、ちょっと残念だと思う自分がいたりもする。



あせらなくてもいいよね。


まだまだこの先時間はたくさんある。


怜央くんとはゆっくり愛を深めていけたらいいな。


あたしも続いて階段を上ると、すぐそこが玲央くんの部屋だった。



「じゃあ、飲み物とか取ってくるから待ってて」


「うん!」