うっすら開けた瞳に、光が差し込んだ。
「───ん……」
身体がものすごくだるい。
たくさん汗をかいていたようで、シャツが濡れていて体が冷たい。
完全に目が開ききると、白い天井が目に飛びこみ、視線をずらせば自分の腕と足にまかれた包帯が目に入った。
ああ……。
ここは病院だ。
あたしは"現在"に帰ってきた。
つまり今日は……あたしがやり直しの世界へ行った日と同じなのかもしれない。
けれど、また同じところに戻ってきてしまったということは。
「……っ」
未来は変えられなかったということだ。
やっぱりあたしは事故にあって、そして、そして、怜央くんは…………。
「うっ……」
シーツを掴んだまま、唇をかみしめる。
けれど、すぐに緩んでしまう口からは声が漏れた。
「……っ……お……くんっ……れ、おくんっ……」