「怜央くんっ……!」
息が切れる。
「早っ!そんなに急がなくてもよかったのに」
怜央くんは、そんなあたしを笑顔で出迎えてくれた。
「ううんっ……だって……せっかく怜央くんが来てくれたっていうから」
「やべえ、嬉しいんだけど」
そんな言葉にキュンとしている暇もなく、あたしは目線の先を指さした。
「カフェにでも入ろうよ」
あそこなら、信号を渡らなくてもいい。
少しでも、危険は回避したいから。
「えっ?ああ、いいよ」
怜央くんの腕に触れながら、歩き出す。
よく考えれば、自分から触れるなんて積極的過ぎるけど、今はそんな下心は皆無で、この場から怜央くんを遠ざけたい一心だった。
けれど、怜央くんはそう捉えなかったのか、そんなあたしの手をとり優しく握ってきた。



