どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



「……怜央くん?」



今日は県外に遠征しているはず。こんな時間にどうしたんだろう。



「もしもし怜央くんっ!?」


[あ、心菜?]



なにかあったのかと緊張しなら応答した向こうの声は意外にも弾んでいて安心する。


周りはすこし騒がしい。


まだ家についていないのだろうか。遠征帰りのバスの中?



[今日の試合、俺決勝点挙げたんだよ。代表校相手に金星ってすげえだろ!]


「わぁすごい!おめでとう!」


[もうみんなお祭り騒ぎで大変だったわ]


「わぁ~見に行きたかったな~」



その姿を想像するだけでも笑顔になれた。


カッコよかっただろうな、怜央くん。



[でさ、急に心菜に会いたくなってちゃって]


「……え」


[実は今、心菜んちの最寄駅まで来てんだ]


「……っ!!!」