これでもう、あたしと怜央くんが別れるという過去は変わった。
ということは、もう大丈夫だよね……?
あたしが事故に遭うことも、怜央くんが死ぬことも。
「こーこなっ」
「ひゃあっ」
そんなことを考えていると、背後から両肩に手を乗せられ変な声を出してしまった。
あ~も~、ビックリした。
「たからその反応、いちいち可愛いな」
満面の笑顔の怜央くんに、頭をクシャクシャと撫でられる。
───ドクンッ。
可愛い、なんて単語を投下され、あたしは全身にボッと火がついたように熱くなった。
「今度さ、去年の選手権の代表校と試合できることになったんだ。しかも俺、スタメン出場が決まったんだ!」
その熱が冷めきらない中、朗報が告げられた。
「わあ、すごい!」
「隣の県だし、さすがに見に来てとは言えないけど頑張ってくるわ」
試合に戻れるようになって、ますます怜央くんは活き活きしている。
張り切りすぎて、こっちが心配になってしまうくらい。



