どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



「真帆のしてることは、悪いことだってわかってたけど、あたしのためにって言われたら、なにも言えなくて……」



白い肌には何本もの涙のあと。



「真帆とあたしの友情は、ちょっと特別っていうか……真帆は、あたしのためなら何でもしなきゃって思っているみたいで……」



すみれちゃんは、藤谷さんと仲良くなったきっかけを話してくれた。


藤谷さんのお父さんはテレビ局に勤めているらしく、小学生時代から芸能人やスポーツ選手に会っただの、サインをもらっただの、いつも学校で自慢していたらしい。


最初は興味を持っていたクラスメイトたちも、やがてその自慢ともいえる話に飽き飽きしてきた。


ことあるごとに、自分の言うこと聞かなかったらサインをもらってきてあげない、などの女王様ぶりに、いつしか総スカンを喰らってしまい。


藤谷さんの周りには、誰ひとり寄り付かなくなり、ひとりぼっちになった彼女に声を掛けたのがすみれちゃんだった。


もともとすみれちゃんは大人しく友達も少なく、そんな彼女が見ていられなかったのだ。


それ以降ふたりは親友となり、藤谷さんは、必要以上にすみれちゃんに対して過剰に守ってくれるようになったという。