どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



「真帆っ……お願いっ……もうやめてっ……」


「……すみれ……?」



はっとしたように目を見開いたのは、藤谷さんだけではない。


あたしもだ。


まさかすみれちゃんが藤谷さんを止めるとは思わなかったから。



「もう……いいの……。あたしからもお願い……。これ以上……怜央くんを苦しめないで……」



すみれちゃん……?


その目からはボロボロ涙がこぼれていた。



「怜央くんがあたしを選ばなかったのは、あたしにそれだけの魅力がなかったからだよ……っ」



肩を上下させながら藤谷さんに向かうすみれちゃんには、相当な覚悟が見えた。



「真帆だってそれはわかってるでしょ?人の気持ちなんて、操作できないことくらい。悪いのは、怜央くんでも心菜ちゃんでもないの」


「でも、あたしはすみれのために」


「それが重いって言ってるの……っ!」



「…………すみれ……」