「絶対に相馬怜央を死なせるなよ」



見つめ合う視界の高さは一直線だった。


ここではじめて、彼とあたしはさほど身長が変わらないことを知った。



「あなたは一体誰なの?」



この世界の人間?


それとも、未来の……。


彼は口元に柔らかく弧を描いた。



「相馬怜央が戻ったら……そのときに教えてあげるよ」



それは。


彼があたしに見せたはじめての笑顔だった。