それに、事故に遭ったあのとき、あたしよりもずっと後ろを走っていたはずだ。


車はあたしにめがけて突っ込んできたのだから、後ろにいた怜央くんがあたしを庇うなんて出来ないはず。


もっともなことを言ったはずなのに、彼は易々と言い放った。



「それが不思議だとでも言うの?俺に言わせたら、君が過去をやり直している方がよっぽど不思議に思えるけど」


「……」



言葉を失う。


そうだ。


あたしがもう一度過去をやり直しているくらい。


死んでしまったという怜央くんが、病室を訪れていたとしてもそれほど不思議ではないのかもしれない。


でも。



「嘘だ嘘だっ……。怜央くんが死んだなんて嘘に決まってる!」



そんなことがあっていいわけがない。