「君が奇跡的に命を落とさなかった理由……それが"肝心なこと"なんだ」
いつかのようにゾクっとする瞳。
ざわざわと胸が嫌な音を立てた。
このあと、彼の口からとんでもなく恐ろしいことが告げられるような気がして。
「待っ……」
「代わりに命を落としたのは───アイツだ」
あたしの静止は届かず、彼は口を開いた。
アイツって……まさか。
「君を庇って……相馬怜央が死んだんだ」
怜央くんが、死んだ……?
待ってよ。
衝撃な告白に、頭が真っ白になる。
「えっ……だって……怜央くんはあたしの病室にっ……」
現実の世界では、お見舞いに来てくれていた。
だからそんなわけない。