必死に走っていると、ちょうど向かう先に横断歩道があって。


ここから早く逃げ出したいあまり、青信号の点滅が終わりかけていることも気にせず、横断歩道へ飛び出した。


はやく、ここから離れないと。


その一心で、あたしはひたすら前を目指した。


すると、信号の変わり目で右折してきた車が視界に映り。



───えっ……。



信号の変わり目でスピードを上げていたのか、その車は勢いよく交差点に入ってきた。



───キィィィィィィーーーーーーッ!!!!



けたたましく響く車のブレーキ音。



ぶつかるっ……!



「心菜ぁぁーーーーーっ!」



どこからか怜央くんの声が聞こえた直後。


次の瞬間、体に衝撃が走り……あたしはそのまま意識を手放したのだ。