「ごめんっ……見てなかった。だけどめちゃくちゃうれしいっ」
凪咲ちゃんとまた1年同じなんて嬉しすぎる!
思わず飛びつくと、
「まったくもー……。ま、あたしも心菜一緒で嬉しいよ。で、どうして遅刻したの?」
凪咲ちゃんはニコッと笑い、遅刻の理由を尋ねてきた。
「えと、ね……。実は今朝、自転車とぶつかりそうになって転んだ時にケガしちゃって」
「え?自転車と?大丈夫なの?」
凪咲ちゃんはびっくりしたような顔で、あたしの体をペタペタと触る。
「大丈夫だよ」
「相手の人の名前と連絡先聞いた?逃げられたりしてない?」
「う、うんっ」
なんか、相手の人が悪いみたいになってるけど。
連絡先もなにも、同じ学校の生徒でしかも同じクラスになった男の子でした、ってオチだし。



