「やべ、嬉しい。あ、でも俺、この後フットサルだから送っていけねえんだ、ごめん」
笑顔になった直後、申し訳なさそうな顔で両手を合わせる怜央くんは、本当に残念そうな顔をしていて。
そんな彼を見て、決意が鈍りそうになる。
嬉しい、なんて、そんなこと言わないで。
これからあたしは、とっても残酷なことを告げるのに。
「うん、いいの……すぐ、終わるから……」
深く深呼吸をする。
一気に言え。言うんだ。
「怜央くんごめん、あたし───」
「待って。……もしかしていい話じゃない?」
雰囲気から、悟られてしまったのかもしれない。
切り出した瞬間遮られてしまった。
……やめて。決意が鈍るから。



