ごめんね、凪咲ちゃん……。
心の中で必死に謝って、友達数人とケラケラ笑いあっている藤谷さんをじっと見据えた。
信じられない。
どうして……?
どうしてあたしじゃなくて、あたしの大事な周りの人を傷つけるの。
文句があるなら、あたしに直接言ってきてよ……。
いたたまれないまま、次の授業が始まる。
内容なんて耳にも頭にも全く入ってこない。
当たり前だ。
あんなことを聞いて冷静でいられるわけがない。
ここから見える怜央くんに目を移すと、彼は居眠りをしているようで時折頭がガクッと落ちては、またゆっくり船をこぐように揺れていた。
疲れているんだ、きっと。
あたしの隣の席のときは、居眠りをすることなんてなかったのに。
学校での部活に加え、フットサルの練習や試合。疲れないわけがない。
そうさせているのは、あたしなんだよね……。



