次のチャイムが鳴り、いつまでもここに居座るわけにもいかず仕方なく教室へ戻ると。
「心菜どうしたの!?」
あたしの行方を心配してくれていた凪咲ちゃんがすっ飛んでくる。
心の中が、ずしんと重くなった。
あたしなんて、心配してもらえる立場じゃないのに。
「……お腹が痛くてトイレに……」
「えっ!?1時間も!?」
「ずっとじゃないけど……教室に戻ってもまたお腹が痛くなったら困るから……」
口から出まかせを言ってしまった。
全部嘘なのに、凪咲ちゃんは優しくあたしに寄り添ってくれる。
「そういうときってあるよね。大丈夫?」
なのに、あたしのせいで凪咲ちゃんを悲しませているなんて、自分が許せなかった。
悪いのは藤谷さん。それは間違いないけど、あたしが怜央くんとつき合っていることがそもそもの問題だから、そこからは切り離せない。



