「あっ、チャイムだ。すみれ行こうっ!」
そのときチャイムが鳴り響き、ふたりは何事もなかったかのようにトイレを出て行ったけれど、あたしは放心してそこから出られずにいた。
体が震えてどうしようもない。
怜央くんも、凪咲ちゃんも大和くんも。
……全部あたしだったんだ。
あたしのせいで苦しめられているんだ。
そう思ったら、目の前の藤谷さんを責める以前に、悔しくて涙がポロポロこぼれてきた。
文句があるなら直接あたしに言ってくればいいのに。
どうしてあたしの周りの人を苦しめるの。
「ううっ……うっ……」
所詮、釣り合ってないあたしなんかが怜央くんとつき合ってるから。
あたしが全部悪いんだ。
あたしは動けないほどのショックで、1時間そこで過ごしてしまった。



