どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



──────……



それは、怜央くんとつき合って3ヶ月が過ぎた頃だった。


本当の世界でも、まさに今の世界であたしが体感しているのと同じ状況だった。


怜央くんはサッカー部の試合にだしてもらえず、地元のフットサルチームの練習や試合に出て。

凪咲ちゃんと大和くんの仲はギクシャクしていた。



そして、あたしはある事実を知ることになる。



それは、偶然だったんだ。


授業の間の休み時間。


ひとりでトイレへ行った時のことだった。


用を済ませて、個室から出ようとしたとき。


───バンッ。


ものすごい勢いでトイレの扉が開いた。



「あ~もう!ほんっとしぶといなあ!」



騒々しい声が聞こえて、鍵を開けようとしていた手が止まる。


すると続けて聞こえてきた声に、心臓が止まりそうになった。



「宮内心菜、なんなわけ!?」



……っ。


自分のことを言われて、心臓がビクッと跳ねた。