どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



焦るあたしとは対照的に、今日も彼は冷静だった。



「出来ないだろうね」



断言され、絶句する。


彼に会えば戻る術が手に入ると思っていただけに、落胆は大きかった。


じゃあ、あたしはいつまでやり直せばいいの?


それはあと、どれくらいなんだろう。


肩を落とすあたしに、彼の声が落ちる。



「君はまだ一番大切なことに気づいてないから」


「大切な、こと……?」


「君がこの世界に戻ってきた本当の理由」



本当の理由?



「え、それは……あたしが、怜央くんのことを忘れてしまったからじゃ……」


「ふっ……」



不敵に笑った彼は、淡々と言い放った。



「いま本当の世界に戻っても、君はまた彼の記憶をなくしたまま目覚めることになると思うよ」


「……どういうこと?」