どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



「あ、そういえば自己紹介まだだったよな」



―――っ。



「俺は相馬怜央(ソウマ レオ)。これもなんかの縁だし、よろしく」



小説では途中で止まったままだったけれど、現実では、彼はちゃんと名前を名乗った。


もしかしたらこれは夢で、名乗る寸前で目が覚めるんじゃないかななんてばかみたいなことを思ったけど。



「あ、あたしは宮内心菜……こちらこそよろしく……」


「じゃあ、心菜って呼ばせてもらうから。俺のことは怜央でいいよ」



彼との出会いは、偶然だったのか、必然だったのか。


このときのあたしには、まだ何もわからなかった。