「はぁ……」



膝を抱えて顔をうずめた。


こんなことってあるの?

人生のやり直しなんて。


でも、さっきの彼の言っていたことに間違いがないのは、他でもないあたしが一番わかっている。



いったい、いつからあたしはここへいるんだろう……。


小説を書きだしたあの時……あのときはすでにあたしはやり直しに入ってたんだろうか。


きっとそうだ。


怜央くんとの出会い方を知っていたから、あんな小説を書いたんだ。



事実は小説より奇なり───か。


あたしは目を瞑り、"一番新しい記憶"を思い返した。