でも。
ファンタジー小説を書いているわけじゃないし、絶対にありえないことじゃない。
等身大の、現実でも起こりそうな学園ストーリーを書いているんだから。
だけどだけど。
……こんな一致ってある……?
バクンッバクンッ……。
大きく音を立てて鳴り続ける鼓動は、彼にも聞こえてしまうんじゃないかってほど。
「できたよ」
いつの間にか手当は終わり、患部はキレイにガーゼで覆われていた。
「ありがとうございましたっ……」
「どういたしまして」
小説の中では、この後クラス発表を見に行って……。
3年だと思っていた彼が、同級生で。
「あの……」
「ん?」
「あたしは2年生なんですけど、あなたは……何年生……ですか?」
……まさか。
「俺も2年だよ」
……!!!



