ジャリッ……。
どうしてか、足が止まってしまった。
そんなの信じるわけないのに。
フッと不敵に笑った彼は、再び口を開く。
「じゃあ、なんのために君はやり直してるの?」
さっきから淡々と降る下ろされる言葉に、頭は混乱するばかり。
「思い出したいから、やり直してるんじゃないの?」
「あの、言ってる意味が……」
さっきまでふざけた話をされていると思っていたのに、こんなことを問いかけるあたしはどうかしているのかもしれない。
そもそも、相手にする話でもないのに。
でも、どうしてか、聞かずにはいられなくて。
経験した世界とか、やり直しとか。
全く身に覚えがなくて、わけが分からない話だけど。
……なんだか胸騒ぎがして仕方ないの。



