それから数日後の放課後。



「凪咲ちゃんバイバイ」


「うん、バイバイ。日直の仕事がんばってね」



凪咲ちゃんに手を振ると、彼女も優しく振り返してくれる。


今日あたしは日直で、まだ日誌を書いたりと仕事が残っているから先に帰ってもらうことにしたのだ。



「ありがとう」


「じゃあまた明日ね」



相変わらず、凪咲ちゃんと大和くんとの間の溝は修復できていない。


あたしに手を振るその顔はやっぱりどこか元気がなくて、あたしまで気持ちが沈む。


怜央くんとつき合ったことで、あたしの周りの人のツキが下がった……なんて誰かの話は、気にしないようにしたって、どこかで気にしてしまう。


凪咲ちゃんが大和くんとの間に溝ができているのも、あたしが怜央くんとつき合い始めたから……？


あたしが、歯車を狂わせちゃったの？


どこかで自分を責めてしまう。