やけに明るく言ってのけたけれど。


そろそろと見上げたその横顔は、少し寂しそうに見えた。


声色は、心と真逆なのかもしれない。



「ほら、実践から外れるとさ、試合のカンもやっぱ鈍っちまうし。学校で出れないならどこかでできるとこ探して自分なりに技磨いときたくて」


「怜央くん……」


「そこのチームの監督さんが昔からの知り合いで、事情を話したら期間限定でもいいから入れって誘ってくれて。だから……しばらくは休みの日もどっか行ったりできねえかも……」



こんなにサッカーが大好きで、真面目に取り組んでる彼に心を打たれる。


なのに試合に出してもらえないなんて理不尽だけど、あたしが言うことじゃない。


一緒になって「ひどいよね」なんて言ってほしいわけじゃないはず。


あたしに出来ることは。



「怜央くんのこと、一番に応援してるから」



あたしのせいでツキが下がったなんて言わせない。