お昼ご飯を食べ終わって、今日が期限の書類を職員室に持って行ってすぐ戻るつもりが、帰りにあんな会話を耳にしてしまったから。


スマホで時間を確認すると、お昼休みが終わるまでもうそんなに時間がない。


ところで、あたしを捜してたって、どうしてだろう。



「これあげる」



不思議そうに見上げたあたしに、今度は笑顔になって渡されたのは、「レモンスカッシュ強炭酸」と書かれたジュース。


さっき、頬に押し当てられたものだ。



「なんかあった?でもこれ飲んだらスカッとするよ」



そういう彼も同じものを持っていて、笑いながら自分の喉へ流し込む。